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パニック障害(パニック症)

症状

理由なく特別な状況や環境に限定されず、突然にパニック発作が繰り返し起こり、そのために様々な障害が生じます。
パニック発作とは、下記症状のうちいくつかが突然に発現し、10分以内にその頂点に達するものです。

動悸、心悸亢進、心拍数の増加、身震いまたは震え、息切れ感または息苦しさ、窒息感、胸痛または胸部不快感、嘔気または腹部不快感、めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ、現実でない感じ、自分自身から離れている感じ、コントロールを失うことに対する、または気が狂うことに対する恐怖、死ぬことに対する恐怖、異常感覚、冷感または熱感

パニック発作は他の精神疾患でも生じますが、パニック障害では前兆なく突然にパニック発作が繰り返し生じるのが特徴的です。
日本人では動悸、頻脈、呼吸促進が最も多く、めまい感、気が遠くなる感じ、ふらつき、死の恐怖がついで多いとされています。

パニック発作の際の呼吸促進のために過呼吸が起こり、過呼吸の結果、二次的に四肢末端のしびれ感、冷感、苦悶感などが生じることがあり、これを過呼吸症候群といいます。
患者さんは再びパニック発作が起こるのではないかという持続性の恐れを抱くようになり、これを予期不安といいます。
予期不安がほとんど1日中頭から離れず、患者さんの本来の行動が制限されてしまうこともあります。

経過

身体症状を伴う限定発作から始まり、次第に多くの身体症状と強い不安・恐怖を伴う定型的なパニック発作を繰り返すようになります。
この時期に症状の原因が身体疾患であると考えて身体科の病院を受診される患者さんもおられます。
その後、特定の状況下でパニック発作が起こるとその限定された状況を回避するようになり、その特定の状況に対する恐怖を広場恐怖といいます。
さらに進行すると広範な状況に対して回避するようになり、生活活動の範囲が狭まり、自宅から一歩も出られなくなったり、うつ状態に陥ってしまう患者さんもおられます。

鑑別診断

パニック発作は他の精神疾患でも生じると前述しましたが、心筋梗塞などの心血管障害、甲状腺・副甲状腺・副腎などの内分泌疾患でも生じるため、注意が必要となります。

治療

パニック障害はアルコールやニコチン摂取、睡眠不足などで悪化することが知られていますので、まずは生活習慣の改善を図ります。
必要であれば睡眠薬を処方することもあります。
また、認知行動療法や自律訓練法で改善することもあります。
それらで改善しない場合は薬物療法の対象となります。
患者さんと相談の上で、SSRIという抗うつ薬や抗不安薬を処方し服用いただくことがあります。

一般的には慢性的な経過をたどりますが、適切な治療を受けることにより症状が軽減し、生活がひどく妨げられることはなくなる方も多いです。

さいごに

当院は「患者さんの一助となれるようしっかりと丁寧に話を聞き、患者さまやご家族さまの目線に立って解決方法を一緒に考えられる、安心を提供できるクリニックでありたい」との理念を掲げております。
パニック障害は急に強い恐怖感が高まり、動機、息苦しさ、吐き気、震え、めまい、発汗などのパニック発作を繰り返す病気です。発作は特定の状況で生じることも多く、外出が困難となるなど日常生活に支障をきたす方もおられます。発作を予防するための精神療法やお薬での治療で改善することがありますので、お気軽にご相談ください。

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