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社交不安障害

日本では従来から「対人恐怖症」として注目されてきました。
海外で注目されていなかったのは、恥という日本文化の特性に結びついた日本人特有のものと考えられていたからです。
1980年頃からアメリカを中心に調査が行われ、社交恐怖は日本やアジアだけのものではなく、西欧人にもかなりの頻度で存在することが分かっています。

症状

  • 人前に出ると緊張しすぎて思うように話ができない
  • 人前で字が書けない
  • 頭の中が真っ白になってどうしたらいいのか分からない
  • よく知らない人との面談や会食などの場面において、恥ずかしい思いをするのではないかと強い恐怖、苦痛を感じる

このような場面では不安症状が生じ、顔のこわばり、ふるえ、動悸、発汗、吐き気、尿意頻回、赤面などがみられます。
また、そういった自分の言動、表情、視線などによって他人に変に思われたり、軽蔑されたり、悪く思われたりするのではないかと、恐怖している対人場面や社交的状況を回避しようとします。
このようなことのため、毎日の生活や仕事、学業、他者との関係に支障が生じます。
通常は、ごく身近な人の前では不安は起こらないとされています。

社交恐怖には赤面恐怖、視線恐怖などの亜型もあります。視線恐怖には目の前にいる人の眼が自分を視ていることが気になるものと、自分の視線が相手を心ならずも見てしまい、相手に不快感を与えるのではないかと悩むもの(自己視線恐怖症)があります。

治療、予後

10歳代半ばでの発症が多く、成人期には症状が軽快したり寛解に向かう患者さんもおられます。
症状の強さは生活上のストレスに伴って変動するとされています。

治療としては薬物療法と認知行動療法があります。
薬物療法としてはSSRIという抗うつ薬を処方することが多く、即効性はありませんが、効き始めると長く効果が期待できます。
抗不安薬は即効性があり、恐怖が生じる特定の場面に対して事前に服用することで効果が期待できます。
また、動悸、ふるえ、発汗などの自律神経症状にはベータ遮断薬が有効な場合があります。

認知行動療法としては恐怖場面での不安のコントロール法を習得し、予期不安や回避行動を減少させるよう反復して訓練する方法があります。

さいごに

当院は「患者さんの一助となれるようしっかりと丁寧に話を聞き、患者さまやご家族さまの目線に立って解決方法を一緒に考えられる、安心を提供できるクリニックでありたい」との理念を掲げております。
社交不安障害は人と話す、人と食事とするなどの社交場面において強い不安感が生じ、動悸、発汗などの症状が現れる病気です。
そういった症状に苦痛を感じ、社交場面を避けるなど日常生活に支障をきたします。
精神療法やお薬での治療で改善することがありますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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