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統合失調症

疫学

統合失調症は青年期に発症し、約100人に1人の割合で罹患するとされています。
発生率に明らかな男女差はなく、発症年齢は15歳から35歳が大半を占めます。

症状

統合失調症の診断基準

  1. 妄想
  2. 幻覚
  3. まとまりのない会話
  4. ひどくまとまりのないまたは緊張病性の行動
  5. 感情の平板化、思考の貧困、または意欲の欠如
  6. 社会的または職業的機能の低下

上記の症状のうちいくつかが6が月間程度持続することで診断基準を満たします。
下記に各症状に関して詳しく記述したいと思います。

妄想

誰かから嫌がらせをされる、危害を加えられるという被害妄想、他人から監視されているという注察妄想、跡をつけられるという追跡妄想、電波や機械で苦しめられるという物理的被害妄想、食事や薬の中に毒が入っているという被毒妄想などがあります。

幻覚

幻覚のひとつである幻聴が最も多くみられます。
多くは他人の声が聴こえてくるという言語性幻聴で、断片的な言葉から、複雑な内容まで様々です。
内容は噂、悪口、批判、命令、脅迫など悪意のあるものが多いです。
直接話しかけてくる幻聴の場合、患者さんは幻聴の命令に従ってしまうこともあります。

まとまりのない会話

会話の内容が漠然としていて意味を把握しにくいことがあります。
会話の文脈がまとまらず、次第に主題からそれて、筋が通らなくなることを連合弛緩といいます。
また、無関係な言葉の羅列となったものを言葉のサラダといいます。

まとまりのないまたは緊張病性の行動

ひどく興奮したり、ほとんど動かなくなる行動がみられることがあります。

感情の平板化、思考の貧困、または意欲の欠如

急性期には不安や抑うつ気分をみとめます。
慢性期には喜怒哀楽の感情の表出が減少し、表情は乏しく、声も単調になります。
また、仕事や学業に積極的ではなくなり、家庭生活は不規則、朝寝坊、身辺に無頓着となります。

社会的または職業的機能の低下

自発性が消失することにより、終日臥床して過ごしたりするなど、社会的ひきこもりを呈することがあります。

治療

患者さんが病気とその治療に関して十分に理解されるほど治療の効果が高まるとされています。
まずは、統合失調症がどのような病気でどのような治療があるのかをきちんと説明させていただきます。

治療としては精神療法と薬物療法があります。
精神療法は支持的精神療法が基本となります。
患者さんが安心できるような治療関係を確立することが大切です。
幻覚や妄想についても、患者さんがそのように体験していることを尊重し、否定や安易な肯定を避けて中立的立場をとるようにします。

薬物療法としては、ドパミンというホルモンが過剰であるために幻覚や妄想が生じるとされていますので、そのドパミンの分泌を抑える働きをする抗精神病薬を使用します。
また、不安や不眠に対して抗不安薬や睡眠薬を処方することもあります。
薬物治療が奏功し症状が改善する患者さんもおられますが、薬の服用を急に止めてしまうと症状が再燃する可能性が高いですので、自己判断での服用中止はしないよう、医師の指示に従って薬を少しずつ減らしていくようにしてください。

さいごに

当院は「患者さんの一助となれるようしっかりと丁寧に話を聞き、患者さまやご家族さまの目線に立って解決方法を一緒に考えられる、安心を提供できるクリニックでありたい」との理念を掲げております。

統合失調症は現実にはない音が聴こえる幻聴や、思い浮かんだ考えが現実のものだと思い込んでしまう妄想などの症状が出現し、社会生活に支障をきたす病気です。
早期に治療を開始することで予後が良くなるとされていますので、ご相談ください。

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