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睡眠薬の分類とその特徴

[2024.01.10]

『睡眠薬の分類とその特徴』

 

お薬の服用に関して不安を感じられる方は沢山おられると思います。当院では丁寧にお話を聞く中で患者様と一緒に解決方法を考えていきます。十分な説明をした上で患者様が希望された場合にはお薬を処方することもあります。

今回は『睡眠薬の分類とその特徴』に関してまとめてみました。

分からないことやお聞きになりたいことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

皆さまの健康へのお手伝いが出来るよう、丁寧な診察を心掛けてまいります。

 

◎睡眠薬の分類と特徴


①バルビツール酸系および非バルビツール酸系睡眠薬

1950~1960年代まではバルビツール酸系および非バルビツール酸系睡眠薬が中心でしたが、耐性による増量や休薬時の離脱症状など身体依存を形成するリスクが極めて高く、安全域が狭く大量服薬時に呼吸抑制が生じる可能性があることから安全性に懸念がありました。現在はほとんど使用されていません。

 

②ベンゾジアゼピン系睡眠薬

1967年にニトラゼパムが登場して以降、50年にわたって不眠治療の主剤として使用されてきました。現在使用可能なベンゾジアゼピン系睡眠薬は10種類以上あり消失半減期も様々で、入眠困難から睡眠維持障害まで幅広くカバーできます。また、催眠作用だけでなく抗不安作用を併せ持つために、精神疾患に伴う重度の不眠症、神経症傾向の強い不眠症に対しても使用することができます。一方で筋弛緩作用のために転倒や骨折のリスクを高めるために、特に高齢者には慎重に用いるべき薬剤です。

 

③非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

1990年代には非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が登場し、ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロンの3種が使用できます。ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて筋弛緩作用が弱く、耐性や離脱症状などの身体依存形成のリスクが相対的に低いとされています。

 

④メラトニンおよびメラトニン受容体作動薬

2010年にメラトニン受容体作動薬であるラメルテオンが登場しました。ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは作用機序が全く異なり、依存形成や持ち越し作用のリスクが低いです。また、催眠作用に加えて生体リズムの位相変位を併せ持つために、概日リズム睡眠障害に対する治療効果があります。

 

⑤オレキシン受容体拮抗薬

オレキシンは覚醒系神経核群の活動性を安定化させる神経ペプチドで、オレキシン受容体拮抗薬は覚醒系神経核の活動を抑制することによって睡眠を誘導します。2014年にスボレキサント、2020年にレンボレキサントが登場し、依存形成や持ち越し作用のリスクが低いことが確認されています。

 

⑥睡眠薬一覧

オレキシン受容体拮抗薬

レンボレキサント(商品名:デエビゴ) 短時間作用型

スボレキサント(商品名:ベルソムラ) 短時間作用型

メラトニン受容体作動薬

メラトニン(商品名:メラトベル) 超短時間作用型

ラメルテオン(商品名:ロゼレム)  超短時間作用型

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ゾルピデム(商品名:マイスリー)  超短時間作用型

ゾピクロン(商品名:アモバン)  超短時間作用型

エスゾピクロン(商品名:ルネスタ)  超短時間作用型

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

トリアゾラム(商品名:ハルシオン)  超短時間作用型

エチゾラム(商品名:デパス)  短時間作用型

ブロチゾラム(商品名:レンドルミン)  短時間作用型

リルマザホン(商品名:リスミー)  短時間作用型

ロルメタゼパム(商品名ロラメット、エバミール)  短時間作用型

フルニトラゼパム(商品名:サイレース) 中間作用型

エスタゾラム(商品名:ユーロジン)  中間作用型

ニトラゼパム(商品名:ベンザリン)  中間作用型

クアゼパム(商品名:ドラール)  中間作用型

 

the journal of the japan medical association

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