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服薬継続の必要性

[2023.08.16]

お薬の服用に関して不安を感じられる方は沢山おられると思います。
当院では丁寧にお話を聞く中で患者様と一緒に解決方法を考えていきます。
十分な説明をした上で患者様が希望された場合にはお薬を処方することもあります。

今回は『服薬継続の必要性』に関してまとめてみました。
分からないことやお聞きになりたいことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
皆さまの健康へのお手伝いが出来るよう、丁寧な診察を心掛けてまいります。

服薬継続の必要性

現在の精神科医療は、これまでの「入院医療中心」から、「地域生活中心へ」と大きく転換しています。
つまり、患者さんの生活の場が医療施設の中ではなく、自宅などの地域となることで、治療は通院・外来で行われることになります。
そうなると、お薬は自分自身で、あるいは家族やヘルパーさんの支援を受けながら管理していく、「薬の自己管理」が必要になります。

精神疾患の一つである統合失調症はきわめて再発しやすく、日常生活に注意しながら付き合っていく必要のある病気です。
薬には症状を良くする働きと、良くなった状態を保つ、つまり再発を防ぐという2つの働きがあります。
症状が良くなると「病気が治った」と感じ服薬をやめてしまう方がおられます。
服薬を自己判断で中断すると、2年以内に80%以上が再発するとされています。
また、再発を繰り返すたびに、症状を抑えるのに時間がかかるようになります。
さらに、再発前の状態まで完全に回復しづらくなることも報告されています。

服薬継続の大切さは、統合失調症や他の精神疾患だけのことではありません。
糖尿病や高血圧症についても同様です。
薬物治療を継続しなければ、糖尿病では網膜症から失明に至ることもありますし、高血圧症でも心不全や脳梗塞を起こす危険性が高まります。
継続した薬物治療はとても大切なことです。

お薬の飲み忘れを防ぐために

  1. 服薬のタイミングを食事などの日常生活と結びつけることで飲み忘れを防ぎ、規則正しく服用することができます。
  2. 薬は食卓の上など目につきやすい場所に置くことで飲み忘れを防ぐことができます。
  3. 外出時は市販のピルケース・携帯用薬入れなどに入れて持ち運ぶようにします。
  4. 薬を既に飲んだかまだ飲んでないかが分からなくなることを防ぐため、お薬カレンダーやお薬ケースを利用すると、自分自身で服薬確認ができ、家族やヘルパーさんにも支援をお願いしやすくなります。

服薬について以前は、「コンプライアンス(服薬順守)」という言葉が使われていました。
コンプライアンスの概念は薬を医者が決定し、患者さんは言われたとおりに従うだけといった受動的な服薬といえます。
しかし、医療者側からの一方的な働きかけでは患者さんが継続して服薬していくことは難しいということが明らかとなり、現在は「アドヒアランス(服薬治療への主体的参加)」へ考え方が大きく変わっています。
アドヒアランスの概念は患者さんが治療方針の決定に主体的に参加し、その決定に従って治療を実施、継続するといったものです。

当院でも診察時に丁寧に説明し、患者様やご家族様が主体的に治療方針の決定に参加いただけるよう、心掛けてまいります。
気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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