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全般性不安障害

[2023.08.16]

日常生活の中で不安を感じられる方は沢山おられると思います。
当院では丁寧にお話を聞く中で患者様と一緒に解決方法を考えていきます。
お薬以外の治療方法もありますし、十分な説明をした上で患者様が希望された場合にはお薬を処方することもあります。

今回は『全般性不安障害』に関してまとめてみました。
分からないことやお聞きになりたいことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
皆さまの健康へのお手伝いが出来るよう、丁寧な診察を心掛けてまいります。

全般性不安障害

① 概要・疫学

全般的な持続的な不安があり、その不安は特定の状況に限られたものではなく、強い不安発作もなく、自由に浮動する不安とされています。
一貫して不安や苦痛を感じ、それらの感情をコントロールすることが困難になります。
不安の程度や頻度、持続期間は、その人の状況から考えて妥当とみられる範囲を超えています。
心配事は全般的なものであり、その対象は多岐にわたり、時間の経過とともに変化することもよくあります。
よくある心配事としては、仕事上や家庭内の責任、お金、健康、安全、車の修理、家事などがあります。
例えば、仕事が安定し貯蓄もたくさんあるのに、急に無一文になったらどうしようなどと考え、居ても立っても居られなくなります。
全般性不安障害は男性よりも女性に2倍多いとされており、特に40代女性に多いことが報告されています。

② 診断基準

A.(仕事や学業などの)多数の出来事または活動について過剰な不安と心配(予期憂慮)が起こる日のほうが起こらない日より多い状態が少なくとも6ヶ月間にわたる。
B.その心配を抑制することが難しいと感じている。
C.その不安および心配は、以下の6つの症状のうち3つ(またはそれ以上)を伴っている(過去6ヶ月間、少なくとも数個の症状が、起こる日のほうが起こらない日より多い)。

  1. 落ち着きのなさ、緊張感、または神経の高ぶり
  2. 疲労しやすいこと
  3. 集中困難、または心が空白になること
  4. 易怒性
  5. 筋肉の緊張
  6. 睡眠障害(入眠または睡眠維持の困難、または落ち着かず、熟眠感のない睡眠)

D.その不安、心配、または身体症状が、臨床的に意味のある苦痛、または、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
E.その障害は、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患(例:甲状腺機能亢進症)の生理学的作用によるものではない。
F.その障害は、他の精神疾患ではうまく説明できない

上記のような診断基準があり、症状の原因が身体的な病気や薬の使用ではないことを確認するために、血液検査などを行うこともあります。

③ 治療

薬物療法

第一選択薬としてはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が広く使用されています。
SSRIには効果出現に2週間から4週間ほどを要し即効性に欠けるため、即効性のある抗不安薬を併用することもあります。

認知行動療法

心理教育(psychoeducation)、症状の管理法(symptom management)、リラクゼーション(relaxation)、認知再構成法(cognitive restructuring)、心配事への曝露(worry exposure)、セルフモニタリング(self-monitoring)、対処機能獲得法(skill-building)などが有効とされています。

④ さいごに

当院は「患者さんの一助となれるようしっかりと丁寧に話を聞き、患者さまやご家族さまの目線に立って解決方法を一緒に考えられる、安心を提供できるクリニックでありたい」との理念を掲げております。
患者さんの心の負担のない範疇でしっかりと話をお聞きし、穏やかに過ごせるようお手伝いすることが出来ます。
どうぞお気軽にご相談ください。

1)modern clinical psychiatry 12th edition
2)psychiatry expert anxiety disorder

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